2022年04月16日

2種類の登記がごっちゃになっています編

2種類の登記がごっちゃになっています編

あいさつ

宅建試験で隠れた得点源なのが不動産登記法です。
なんか難しそうな感じがするかもしれませんが、それは普段聞きなれない言葉をきくからそう思うだけで、問題自体は結構同じような選択肢が出ています。

登記って実務をやっていない人にとっては、なんか漠然と難しそうに感じますよね
今日はそんないやなイメージをこの動画で解消しますのでご安心ください。
さっそくコメントご紹介します。


伊藤 さん
棚田先生、毎日動画の更新ありがとうございます。
質問なのですが、


平成28年問14の
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。

×

コメント続き行きます。
いまいちどういうことなのかわかりません。
暗記すればいいのでしょうが、いつもミスしてしまいます。
お忙しいとは思いますがお時間のある時にわかりやすくどういうことなのか教えていただけたら幸いです。
民法は踏み込みすぎない方がいいとはわかりつつ、理解しないと気持ち悪いのです💦
どうぞよろしくお願い致します。

はい、いい質問ありがとうございます。
これは不動産業やってないとわからないですよね。そして、ここは理解できていないと何度でも間違えてしまうと思うので、
ここですっきりさせたいと思います。

まず不動産の登記って何かわかりますか?
ここがまず重要です。


不動産登記とは、土地や建物などの不動産の情報について法務局に保管されている不動産登記記録のことを言います。
ですから登記を申請するというのは、その登記記録に情報を載せる申請をするということを意味します。

不動産登記には大きく分けて2種類あります。

・表題部
・権利部

はい、なんか部活みたいですが、パニックにならないで、大丈夫これを不動産大学流に翻訳します。

・表題部というのは物理的な現況に関する情報に関する登記です。
例えば、所在地、構造、床面積などです。

・権利部というのは、権利関係に関する登記で、簡単にいうとその不動産を誰が所有しているのかが書いてあります。

謄本の実物をお見せします。
これが不動産の登記簿謄本ですが、上の方に書いてあるのが表題部、その次に書いてあるのが権利部です。

これは誰でも見れますので、例えば友達の家の謄本を取ろうと思えば、勝手に取ることも可能です。

不動産登記簿があることで、どこの家や土地を誰が持っているのかがわかるということです。


その登記記録に変更があると原則として所有者(当事者)の申請により登記官がその記録を書き換えて変更します。
ただ、実務上は申請書類を作成するのが大変なので

・表題部・・・土地家屋調査士
・権利部・・・司法書士

に依頼してやってもらうのが一般的です。

ここまでが基本情報です。
そのうえで、ここからが重要です。
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければなりません)。
つまり、表題部の登記は義務なんです。
どこにどういう建物が建っているかを登記するのは、義務だということです。
不動産登記のうち、土地の所在や広さ、建物の種類・構造・床面積といった不動産の現況を明らかにする表示の登記手続きは、
公的見地(固定資産税を課税しやすくするためなどの理由から)から法律上義務になっています。

対して、権利部の登記については法律上義務じゃないんです。
ですから所有権や抵当権等の権利に関する登記は、法律上義務ではありません。

権利部というのは、あくまで自分の権利を第三者に主張できるようにするために(難しく言うと「第三者対抗要件」)する制度なので、
自分の権利を守るため、トラブルを避けるために、自発的にやるものなんです。

このように、表題部と権利部で全く性質が異なります。

さて選択肢を見てみましょう。

「所有権の保存の登記を申請しなければならない」って書いてあります。所有権保存登記は、つまり所有者が私だという権利を登記する権利部ですから、登記するかしないか、いつするかは、所有者の任意です。
ただ、実務上はすぐに登記しますけどね。

所有権の保存の登記っていう言葉が難しいですが、要するに自分が所有者だと登記簿に名前を書いてもらうことです。
ただそれだけです。


新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、
表題登記を申請しなければなりません。

表題部と権利部どっちの登記のことを言っているのかを見抜ければ、この手の問題は簡単です。


おまけ

平成09年問14
建物を新築した場合、当該建物の所有者は、新築工事が完了した時から1ヵ月以内に、建物の所有権の保存の登記の申請をしなければならない。

×

はい、大丈夫ですかひっかかってないですか?
新築した建物または区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、そ
の所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければなりません。
が、所有権の保存の登記は権利部です。
だから任意です。
登記をするかしないか、登記するとしていつするか、は、所有者の自由です。よく覚えておきましょう。
ということでまた明日。





posted by 棚田行政書士 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: