2020年07月06日

誇大広告の禁止編

誇大広告の禁止編

ということで、不動産業界で仕事をするうえで絶対に知っておいてほしいのが借地借家法という話を不動産大学では以前からよくしていますが、
実はもう1つ重要なことがあります。
それは誇大広告の禁止です。
不動産業界は誇大広告について非常にナーバスになってきている業界なんです。

昔はですね、ありもしないおとり広告を出して集客している業者がざらにありましたが、10年くらい前から大手の業者が処分されたりなんかしてだいぶ厳しくなりました。

だから、誇大広告の規制についてはきちんと理解しておきましょう。

ということで、さっそくコメント行ってみましょう。


k t さん
いつも分かりやすい動画ありがとうございます。
未完成物件の広告、契約時期の制限について質問があります。
未完成物件の広告はすべての取引態様において規制されるのに対して、契約時期の制限では貸借の媒介と代理が規制されないのはなぜですか?
契約が大丈夫なら、広告してもいいと思うんですが…


いい質問ありがとうございます。
確かに疑問に思う気持ちはわかります。
おそらく誇大広告を勉強した人は、ここ丸暗記でやっていると思いますので、実務の面からも補足させてもらえればと思います。

平成19年・問38 
宅建業者は、新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない

はいどうでしょうか。
答えは×です。

この問題のポイントは2つです。
未完成物件の

・広告をしていい時期
・契約をしていい時期

この2つの規定がそれぞれ違うんです。


まず、未完成物件の広告をしていい時期はこちら

・未完成物件が建物であれば、建築確認後
・未完成物件が土地であれば、許可後(開発許可等)

このようにまだ完成していない物件については、役所等からの許可が出ていなければだめですよってことです。

これがまずポイント1です。

次、契約をしていい時期 それがこちら

未完成物件は、
・未完成物件が建物であれば、建築確認後
・未完成物件が土地であれば、許可後(開発許可等)

でなければ

・売買・交換(その媒介・代理)に関する契約を締結することはできません(宅建業法36条)。

はい、今日のポイントはここ、賃貸が入ってない!

ktさんのコメント思い出しましょう。

未完成物件の広告はすべての取引態様において規制されるのに対して、契約時期の制限では貸借の媒介と代理が規制されないのはなぜですか?
契約が大丈夫なら、広告してもいいと思うんですが…

この疑問に早速お答えします。

「契約が大丈夫なら広告してもいい、わけじゃない」

そのまんまですが、理由を説明しますね。

公式に発表されているわけではありませんが、実務をしている観点からお話します。

まず、大前提として、未完成物件というのはトラブルのもとなんでございます。
未完成物件というのは言ってみればまだこの世に存在していないものを売るってことですから、冷静に考えればかなり危ない契約ですよね。

「こういう家を作ろうと思っています」って言われて契約書に判子おす人います?

ちょっと怖いですよね。大手企業なら信用するかもしれませんが、小さいところだったら疑いますよね。できてから買いますって言いたいですよね。

売買については何千万、何億というお金を払う契約ですから、そもそも役所等の許可が下りていないような空想物に対して売買契約結ぼうという人はそもそもいないでしょう。
いたら危ないです。
だから、完成前の物件はせめて許可出てから広告や契約してくださいねってことなんです。


じゃあ、賃貸はどうでしょうか。
賃貸の場合、許可前の物件の広告OKにしてしまうと、それこそ誇大広告のオンパレードの恐れがあります、こういうアパート建てるつもりだよ、っていうレベルでスーモやアットホームに広告で出したら大混乱しますよ。
それを使って集客しようという業者が出てくる可能性があるので、絶対に規制しないとだめです。

じゃあ、賃貸の契約はどうでしょうか。
確かに許可が下りない物件の賃貸借契約書を交わすのも不安かもしれません。

その点は同じです。
ただ、売買と賃貸ではもしも許可が下りなかった場合に生じる損害に違いがあります。

売買の場合は手付金預かったりしますから、許可前の物件で売買契約できるとしてしまうと、万が一許可が下りなかった場合に手付金でトラブルになる可能性があります。売買の手付金は100万円をかるく超えますから、下手すれば裁判沙汰です。

対して賃貸の場合はどうでしょう。
許可前の物件の契約をして、もし許可が下りなかったら、ただ契約を解除して終わりです。
敷金や前家賃払っていたとしても、物件がないなら返してもらうだけです。
仮に業者が逃げたとしても、そこまで大きな金額にはならないでしょう。

そういうことなんでございます。

このように、広告を規制するのと契約を規制する理由や主旨が若干違うので、ktさんが言われるように契約がいいなら広告もいい、とはならないんですね。

許可前の広告なんて絶対にダメです。

それなら賃貸の契約もだめにすればと思うかもしれませんが、あまり規制をかけすぎると 今度は自由な取引を阻害することになってくることも考えなければなりません。

賃貸の場合はある程度のリスクを承知で物件を抑えたいという人も出てきますので、そういう取引まで全部規制するのはやりすぎじゃないか、ということでございます。

ktさんお分かりいただけましたでしょうか。


最後確認の意味で過去問やりますよ

平成30年(2018年)問26
建築基準法第6条第1項の確認を申請中の建物については、当該建物の売買の媒介に関する広告をしてはならないが、貸借の媒介に関する広告はすることができる。

答えは×です。

これ〇じゃないですからね。

広告はだめですよ。

契約は自己責任で処理できますが、広告は混乱するしトラブルになるから駄目です。ということです。
posted by 棚田行政書士 at 16:42| 東京 ☀| Comment(2) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先生のyoutubeをいつも楽しく拝見しています。
本来であればYouTubeにて質問すべきですが、本名でアカウントを作っているのでこちらで質問させてください。
宅建の勉強に、tacの黄色い問題集と緑色のアプリを用いています。問題集は2週ほどしています。試験まで残り三ヶ月というところで、今更ながら大量記憶法を導入しようと思いますが、おそいでしょうか?
また、試験前ラストスパートの時期になってきますが、過去問を実際の形式で解き始める時期はいつごろからがいいのでしょうか?これからの勉強法を教えていただきたいです。ちなみに現在まで2回ほど、過去問を解きましたが合格点に達していません。

お忙しいところ恐縮ですが、お返事をお待ちしております。
Posted by Kazama at 2020年07月08日 23:47
この記事の最初に出てくる過去問、正誤間違ってませんか?
バツ→マルだと思いますよ
Posted by あま at 2021年10月10日 11:10
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