今日は私の宝物をご紹介しましょう。
え〜、栄養ドリンク。
何の変哲も無いように見えますけども実はこれ、賞味期限が・・・・なんです。
これは妻が結婚前、私が体調を崩したときにお見舞いに買ってきてくれたもので、私うれしくていまだにとっているんです。
もったいなくて飲んでないので中身も入ったままです。もう飲めないと思いますが冷蔵庫に入れています。
え〜、それからぁ新品のボールペン、これは子供が自分でためたお小遣いで初めて私に買ってくれた誕生日プレゼントなんです。
そうっ、宝物なんて物は本人にとって大事でも人から見れば何の価値も無かったりするんです。
ただ、手付金の価値は誰にとっても同じなわけで。。。
それではさっそく事件の概要からお話ししましょう。
令和01年問37
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
Aが150万円を手付金として受領し、さらに建築工事完了前に中間金として500万円を受領しようとする場合、Aは、手付金と中間金の合計額650万円について法第41条に定める手付金等の保全措置を講じたとしても、当該中間金を受領することができない。
ばつ
被害者の証言はこちら
タリスマン さん
解説をお願いします。
建築工事完了前のマンション代金3000万円の手付金と中間金を合わせて650万円は2割を超えてますが、自分の解釈では手付金等の代金が5%以下、かつ1000万円以下でも2割を超えてればダメだと認識していたのですが解答は✖️になっててよくわからなくなってしまいました。ぜひよろしくお願いします!
タリスマンさんの話を整理します。
あなたは代金が3000万円だから手付金の上限は20%で600万円を超える手付金を預かることはできない。
ところが選択肢では手付金と中間金合わせて650万円だから2割超える、これは保全措置に関係なくもうアウトだから受領できないと思ったのに、答えは受領できるとなっている。
これはどういうことなんだ。
ということですね。
暗転
えー今回の事件、
実は多くの受験生がわかった気になっていて、ちゃんと理解できていない部分なんです。
手付金の問題はほぼ間違いなく試験に出題されますから、この謎が解けないと1点落とすことになります。
被害者は一体何を勘違いしているのか。
ヒントはここ「手付金」の意味
もうお分かりですね。
棚畑任三郎でした
それでは解説しましょう。
まず宅建業者が自ら売主となった場合の手付については、
1:「手付」の額の制限
2:「手付金等」の保全措置
この2つのポイントをチェックしなければなりません。
その点についてはタリスマンさんもご存じですね。
今回の事件のポイントはここ。
お分かりですか?
1の手付ってどこまでが手付だとお思いですか?
手付+中間金だと思っていませんか?
違うんです。。。
驚かれました?
確かに、2の手付金等については、中間金も含まれます。
しかし、1の手付には中間金は含まれないんです。
宅建業法では「手付」と手付金「等」は区別されているんです。
たとえば、売買代金の2割まで、というときは「手付」(宅建業法39条)と表現しているのに対して、
保全措置の場合は(宅建業法41条、41条の2)、手付金「等」と表現しています。
つまり、手付と手付金等は別物ということなんです。
ということはどういうことなのか、
宅地建物取引業者が自ら売主で、買主が宅地建物取引業者でない場合、
手付金の額は売買代金の2割を超えることはできませんが、中間金は、2割を超えて受領してもいいんです。
となるとあとは、1は解決です。あとは2の手付金等の保全措置の判定だけです。
1:手付金150万円は、5%である150万円以下、よって手付金受領の時点では、保全措置を講じる必要はなし
2:そしてこの手付金に中間金500万円を加えると、手付金等は合計650万円
ここで、保全措置を講じる義務が生じるわけです。
よって手付金等の保全措置を講じれば、Aは、中間金を受領することが可能なんです。
選択肢では「手付金等の保全措置を講じたとしても、当該中間金を受領することができない」ってなっていますので×なんです。
タリスマンさん
1:「手付」の額の制限
2:「手付金等」の保全措置
この二つのチェックポイントがあるってことはわかっていたのに、
手付と手付金等の違いについては明確に覚えてらっしゃらなかった。
残念です。
試験本番では必ず正解してほしいものです。
まいりましょう。