2022年02月28日

検討しますの打開策編

検討しますの打開策編

あいさつ

ということで、先日賃貸営業のポイントについて解説させていただいたんですが、すごく重要な質問をいただきました。

こゆうちゃん  さん
棚田先生、いつもありがとうございます。とても分かりやすく勉強になりました。お客様が検討しますと持ち帰ろうとした時は、どんな風に切り返したらその日に決めてもらえるのか‥その技も知りたいです!
ご教示いだだけると嬉しいです😊✨

はい、これ過去動画のこの部分なんですが、ちょっと復習しましょう。

これ営業マンの永遠のテーマと言っても過言ではありません。
お客様が検討しますっていって帰ろうとしたらどうしたらいいのか、これすごく重要です。
検討してくださいっていって帰すと9割は他決します。つまり他社で決まってしまいます。
まずその理由から説明します。

例えばあなたが3物件案内したとします。
どれも駅近くていい物件です。
もともとお客さんは駅徒歩5分圏内限定で探してください、といってお店に来たので、紹介した物件自体は間違いではありません。
ただ、お客さんは即決せずに検討しますと言っているとします。

動画で話した通り、お客さんから何が気に入らないか言ってもらえればいいのですが、
言ってもらえない時は、こちらから予想して言ってあげることが作戦の1つです。
例えばこんな感じです。

「ちなみに、駅近くってどうしても日当たりがそんなに確保できないんですけど、徒歩8分のところに
こんな感じで日当たりいい物件あるんですけど見に行ってみませんか」

こんな感じです。
直球で何が気に入りませんか?って聞くと相手は答えずらいです。
かといって
「日当たり悪かったのがいまいちって感じですかね」
みたいな感じで、単に懸念している点を指摘するだけだと、たとえそれが合っていても気まずくなって結局その日は帰ってしまう可能性が高いです。

そこで、さりげなく察してあげたうえで、それを打開する物件の図面をすぐに出してあげる、ここまでするとお客さんは踏みとどまってくれます。
もちろんこちらの予想が外れることもありますが、
大切なことは、すぐに代替物件を提案してあげるということです。

案内されたお客さんの心理としては、案内までしてもらって決めないなんて申し訳ない、という心理があります。
だから、案内された物件が全部気に入らなかったと、営業マンに言いにくいんです。
検討しますと言ってその場から脱出して、別の不動産屋に行ってこう言うんです。

「駅徒歩10分まで離れてもいいんで、日当たりがいい物件ありますか?」

このお客さん、来店した時は「駅徒歩5分圏内限定」という条件だったのが、
3物件案内したことによって自分の真に求める物件の条件が変わったんです。

これ、他業者にもっていかれたらすごくもったいないですよね。
だから、検討しますって言われたら、帰ってしまう前に必ず代わりになる物件を具体的に提案するんです。
これがすごく重要。
具体的に物件を出してあげることでお客さんは、
「この営業マンの人、すぐに機転を利かせて違う物件を提案してくれるということは、
案内してもらった3物件で決めなくても、悪い気しないんだ。よかった、じゃあこの人に全部話そうかな」
こんな感じになっていくんです。

ちなみに、このときにお客さんが懸念しているにもかかわらず、案内した3物件をごり押しして申し込み取ろうとする営業マンです。
これ最悪です。
このごり押しは仮に申し込み取れたとしても、後日必ずキャンセルになります。
成約には結びつきません。
大切なことは、懸念している点の見極めと代替物件の提案です。

でもそんなにすぐに代替物件なんて探せないでしょって思いますよね。
ここが営業力なんです。
私、物件の下見が大切だって話しましたよね。
私の場合、当時高田馬場で働いていましたが、高田馬場駅周辺、早稲田駅周辺の空室物件については、
全部下見して頭に入っていました。
もっというと、西武新宿線で30分圏内の物件についても、ほとんど下見しました。
もちろん案内で見た物件もありますが、かなりの契約取っていましたので、その分見ていない物件はないと言えるほど、
物件を熟知していましたので、Aマンションがダメだったお客さんにはBマンションが刺さるみたいなことがすぐにわかるくらいになっていたんです。

ちなみに、私が新人だったころは早く先輩を抜きたかったので、
朝早く出社してとにかく物件を下見に行きまくっていました。
この経験が、検討します、というお客さんを引き留められるスキルにつながるんです。

二流の営業マンだと、いちいちレインズ叩いて調べなければわからないことが、私の場合、案内から戻ってくる途中でもう次の物件が頭に浮かんだ状態で話を組み立て始めています。

基本的にお客さんの前でレインズやスーモやホームズで検索して物件探す営業マンいますが、私としてはあれはあり得ません。
よほど遠い地域の物件を探すのならあるかもしれませんが、基本的に自店駅30分圏内は全部頭に入っていました。

もっというと、物件だけじゃなくその大家さんの特徴も頭に入っていました。
物件を見に行ったときに大家さんにあったり、見に行った感想を大家さんに電話で伝えるなどすると、
大家さんがどんどん心を開いてくれるようになります。

家賃が下がりそうな大家さん、審査が厳しい大家さん、学生さんなら礼金下げてくれる大家さん、大家さんにも特徴があるので、
それに合ったお客さんを紹介することで条件が良くなったりします。

おまけ

ということで、契約が伸び悩んでいる営業マンの方にズバリアドバイスをします。

・物件を見よ
・大家さんと話せ

この2つが超基本です。
これができていなければ、契約がとれなくて当然です。
早朝など多少無理してでも、最初のうちはこの2つをやった方がいいです。
物件を見れば見るほど、営業が上手になっていきます。
ロープレやるよりもよほど効果があります。
ちなみに私が管理職やっていた時は、営業マンに自分が見たことない物件は紹介させないようにしていました。

「自分が見たことない物件をお客さんに紹介する気か」

という意識を新人の時に叩き込んでいました。





posted by 棚田行政書士 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月27日

令和3年問23 所得税理解できていますか編

令和3年問23 所得税理解できていますか編

あいさつ

令和3年の試験問題の中で、無視できないのが問23所得税です。
所得税いやですね〜
税金と聞いただけで動画離脱しようとしているあなた、これ実務でも重要な知識がたくさん含まれているので、合格した人も、今年受験する人も知識がアップしますのでぜひ最後までご覧ください。
それではいきましょう。難易度たかめの問題です。

令和03年問23 所得税

所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1:譲渡所得の特別控除額(50万円)は、譲渡益のうち、まず、資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得で政令で定めるものに該当しないものに係る部分の金額から控除し、なお控除しきれない特別控除額がある場合には、それ以外の譲渡による所得に係る部分の金額から控除する。



譲渡所得は、所有期間が5年を超えているかどうか、を基準に長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられます。

選択肢では「資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得」と表現しているのが短期譲渡所得で「それ以外の譲渡による所得」が長期譲渡所得を表現しています。
ここが理解できることが第一段階です。
そのうえで特別控除額は、まず、短期譲渡所得から控除してそれでも控除しきれなければ、長期譲渡所得から控除するという順番になります。
だから〇ということになります。



2:譲渡所得の金額の計算上、資産の譲渡に係る総収入金額から控除する資産の取得費には、その資産の取得時に支出した購入代金や購入手数料の金額は含まれるが、その資産の取得後に支出した設備費及び改良費の額は含まれない。

×

譲渡所得の計算方法覚えていますか?
譲渡所得=総収入金額−(取得費+譲渡費用)です

そして取得費には、その資産の取得時に支出した購入代金や購入手数料だけじゃなくて、資産の取得後に支出した設備費や改良費の額も含まれますよ。
よく物件を購入してリフォームするケースありますが、この場合リフォーム費用も取得費として差し引くことができます。
選択肢では含まれないと言っているので×です。


3:建物の全部の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額が、その土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、不動産所得として課税される。

×

まず不動産所得ってなにかわかりますか?
不動産等の貸付けによる所得のことです、つまり家賃収入とかですね。
ただし、事業所得又は譲渡所得に該当するものは除かれます

「建物の全部の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額が、その土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるとき」というのは、例外的に譲渡所得になります。これは覚えておきましょう。


4:居住者がその取得の日以後5年以内に固定資産を譲渡した場合には、譲渡益から譲渡所得の特別控除額(50万円)を控除した後の譲渡所得の金額の2分の1に相当する金額が課税標準とされる。

×
これまず何を譲渡しているかを読み取れるかがポイントです。
居住者がって言ってますので、土地だと考えられます。
つまり、譲渡所得については分離課税だということに気が付けるかが重要です。
となると、特別控除50万円というのは総合課税の話なので関係ありません。1/2云々も関係ないんです。
×です。

おまけ

どうですか、難しかったですか、
宅建試験の税金問題については、今解説したような内容を全部理解できていなくても大丈夫です。

重要なことは最低でも過去20年間に出題された選択肢については、周辺知識も含め全部固めておくことです。
今回の問題も、実は過去問で出ている選択肢のうち難しい選択肢がミックスされているだけなので、理解して解こうとするとレベル高いですが、宅建士にそこまでの税務知識は求められていません。
それよりも過去問とその周辺だけ聞かれたときにこたえられるようにしておけば得点できるタイプの問題が多いです。

この問題をやって挫折する必要はありません。宅建士にそこまで高度な税務知識は不要です。
ちなみに私も税金嫌いです
ということでまた明日。
posted by 棚田行政書士 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月25日

IT重説使ったらクーリングオフできるんですか編

IT重説使ったらクーリングオフできるんですか編

あいさつ

ということで、宅建試験で必ず出題されるクーリングオフですが、コメント欄に素晴らしい質問をいただいたので今回取り上げたいと思います。

H • さん
いつも勉強させて頂いております!ちなみにIT重説はクーリングオフの適用に該当するのでしょうか。

これすばらしい質問ありがとうございます。

まずクーリングオフについてわからないと意味不明だと思いますのでまずは復習してみましょう。

クーリングオフっていうのは、消費者が頭を冷やして考えることができるように、契約後一定の期間内であれば、無条件で契約が解除できる制度のことをいます。
これとても重要です。

最初に言っておきます。これチート級にかなり強力です。
例えば売買契約をあとから解除する方法って、何がありましたっけ。

・手付金を放棄する手付け解除
・違約金を支払う

このように、いったん契約したものを解除するには一般消費者といえども一定のペナルティがあるわけですよ。

なのにクーリングオフって必殺技は、なんのペナルティもなしに契約を無条件にリセットしてしまうという、とんでもない技なわけですよ。

まずこれを念頭に入れてくださいね。

だから、クーリングオフできる要件というのは、

・消費者が頭を冷やして考えることができない場所だったか
・契約後一定の期間内であるか

この2点を満たさなければ、クーリングオフという必殺技は使えません

今回の質問でポイントになるのが、・消費者が頭を冷やして考えることができない場所だったか、どこで申し込み、契約をしたのか
ここです。

売主、媒介、代理業者の
・事務所
・土地に定着した案内所、モデルルームなど(宅建士の設置義務がある場所、つまり申し込みや契約を受ける場所、業務開始の
10日前までに届出必要)

こういった場所は、落ち着いて頭を冷やせるから、クーリングオフはできません。
対して、テント張りの案内所は土地に定着してないから、クーリングオフの対象です。
あとは喫茶店とかホテルのロビーとかも冷静に判断できないから、クーリングオフできる
これらの場所は接待される可能性もあるので、断りにくいですからね。
単なる知り合いの事務所はクーリングオフできる。

じゃあ、問題です。
買主が申し出て自宅や勤務先に業者を呼んだ場合、クーリングオフできると思いますか?

無理ですよね。自分から呼びつけるくらいですから冷静になれなかったなんて言い訳通用しません。業者もわざわざ言われて行って、交通費だってかかるわけです。そんなんでクーリングオフされたらたまりません。

ただ、喫茶店やホテルのロビーに呼び出してもクーリングオフはできますよ。勘違いしないでくださいね。
あくまで自宅か勤務先、つまり買主にとってホームゲームの場合です。

以上を踏まえて皆さんに質問です。
ITを駆使した不動産屋で、すべてオンラインで申し込みから重説、契約までやりました。
さて、クーリングオフできるでしょうか。

これ気になりませんか?

すばらしい質問だと思います。気になりますよね。
みなさん予想してください。
実はこれ、私国交省が出しているIT重説実施マニュアルというものがあるんですが、これ読んだんですが書いてないんですよ。

書いてないことは直接聞くのが不動産大学です。
そこで私は国土交通省不動産・建設産業局 不動産業課に電話をしまして直接聞きました。
オンライン手続きやったらクーリングオフ使えるのか。
さて、答え気になりますよね。

答えはズバリ、場所による。
との回答です。
詳しく解説します。

例えばオンラインで申し込み契約を行ったとして、
売主業者が事務所から、買主個人が自宅のパソコンでやった場合、クーリングオフは使えません。
なぜなら、買主が自宅にいるからです。落ち着けますよね。
では、応用問題

売主業者が事務所から、買主個人が勤務先のパソコンでやった場合、
最悪ですね、会社普通なら首かもしれませんが、これもクーリングオフできません。

つまり、運用はオンラインでやっても同じなんです。
要するに、買主がどこでオンラインやったのかが重要なんです。
私ここまで国交省の人に説明されたので、こう言いました。

「じゃあ、売主業者が事務所から、買主個人がスタバでMACBOOKPRO使ってオンラインで申し込み契約やった場合、クーリングオフは使えるのですか」

と聞いたところ、「使えます」と言われました。

個人的には何それって思いますけど、現状の法律だとクーリングオフを規定している宅建業法37条の2は
IT重説が可能になっても改正されていないので、運用は変わらないし、特別なガイドラインも今のところはないからだそうです。
だから、買主がどこでオンラインでやったかで判断するそうです。

すごいですよね。そもそも場所を問わず手続きできるところがオンラインのいいところなのに、どこでオンラインでやったかで判断するって、
どうなのって思います。
だから、オンラインで申し込み契約した場合に、クーリングオフできるかどうかの場所の判定は、買主がどの場所でオンラインしていたのかで判定されるということです。

おまけ

ということは、オンラインで手続きする際には、業者としては必ず相手がどの場所でオンラインしているか確認して記録を残しておく必要があるということです。
私だったら、必ず自宅に限定してやりますね。そうしないともめそうです。
普通に考えたら、落ち着かない場所でオンラインで手続きすることは考えにくいので、
自宅などでやったとするならば、基本的にはクーリングオフの対象外ということになるようです。
要するに、自宅に業者を呼んでやるのと、自宅に居ながらオンラインでやるのと結論は同じということです

ということでまた明日。




posted by 棚田行政書士 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする