2021年07月27日

35条書面と37条書面の違い編

35条書面と37条書面の違い編


ということで、このチャンネルは市販の参考書だけで9つ資格を取った、元上場企業のトップ営業マンである私が、宅建をはじめ資格取得に役立つ情報を発信するチャンネルでございます。
宅建業法の中でも実務で一番重要になってくるのが37条書面です。
ここは35条書面と混同しやすい部分なので試験でもひっかけ問題が横行しています。
今日もとても重要な質問いただきましたので、さっそく回答していきたいと思います。
ということで今日は問題からやっていきたいと思います。

平成04年問42
35条書面の交付は契約締結前に、37条書面の交付は契約締結後に、いずれも売主買主双方に対して、行わなければならない。

×

コメント行きます。
三股さん
質問です。なぜ35条は売主に説明不用なのに37条は双方に交付なのでしょうか?

はい、超基本ですがすごく大切な質問ありがとうございます。
この質問は35と37条書面の本質を理解していないと答えられません。
これは実務でも非常に重要な知識なのでぜひここで理解していってください。


・35条書面
売買の媒介の場合、重要事項書を交付する相手は、買主となろうとする者です。
これから手放す所有者である売主に交付する必要も説明する必要もありません。
(売主に重説したエピソード話す。何のために説明するの?)

・37条書面
売買の媒介の場合、37条書面は、売主・買主の双方に交付しなければなりません。
37条書面って要するに売買契約書ですよ。もらわないと困りますよね。契約書ですから。
自宅を売却したのに手元に契約書なかったら死ぬほど不安ですよね。
だから当事者である売主と買主双方に交付しなければならないんです。

通常は2部作ってそれぞれに収入印紙を貼るんです!

35条書面というのは、契約書とは違って物件の説明書なんですよ、トリセツなんです。
例えば、皆さんが高級中古車を買うとします。
ディーラーは買主である皆さんにアラウンドビューの使い方など、最新式の機能やスペック、過去の車検の履歴などについて詳しく説明します。
じゃあ、同じ説明、車の売主にも説明しますか?
しませんよね。
だってもう何年も自分で使っていて知り尽くしている車の使い方、今更聞いたって意味ないですよね。
もう売るんですから。
車売ったことある人ならわかるかもしれませんが、手続き超すぐ終わりますよ。下手すると、査定に来た人がその場で現金渡してそのまま乗って帰るなんてこともあるくらいです。
売る人に説明なんかする意味ないんです。
買う人にすることなんです。
これが重要事項説明です。

対して、売買契約書というのは売主と買主が合意した証拠ですから、双方が持ってないと困りますよね。いやですよね。
トリセツとは全然意味が違うんです。
そういうことなんでございます。

お分かりいただけましたでしょうか。三股さん
このように35と37条の違いは試験でとにかく集中攻撃されますので、完璧にしておく必要があります。
ということで、ここで宅建クエスト戦闘モード行きます。
37条書面の問題ばかりをあつめましたので、一気に戦って経験値稼いでください。
全問正解で経験値100獲得です。

それではスタートです。


1平成04年問42
買主が宅地建物取引業者である場合、35条書面の交付は省略することができるが、37条書面の交付は省略することができない。

×

・35条書面
重要事項の説明は業者間の取引であっても、それ以外であっても、全く同じに適用されます。
業者間取引だからといって、35条書面の交付を省略できません。

・37条書面
契約書面の作成・交付は業者間の取引であっても、それ以外であっても、全く同じに適用されます。
業者間取引だからといって、37条書面の交付を省略することはできません。


235条書面の交付及び37条書面の交付ともに、その交付をする前に、その内容を宅地建物取引士をして説明させなければならない。

×

【35条書面】
重要事項説明書については、宅地建物取引士をして、記名押印・内容説明をさせなければなりません。

【37条書面】
契約書面については、宅建士に記名押印させる必要はありますが、内容を説明させる必要はありません。


3買主が宅地建物取引業者でない場合、35条書面の交付及び37条書面の交付は、ともに、事務所以外の場所で行ってもよいが、当事者の承諾があっても省略することはできない。



35条書面・37条書面ともに、交付場所はどこでも大丈夫です。
したがって、事務所以外の場所で行うこともできます。
一方で、35条書面・37条書面を交付するのは、宅建業法上の義務なので、当事者の承諾があっても省略できません 絶対交付してください。

平成08年問38
売主A、買主Bの間の宅地の売買について宅地建物取引業者Cが媒介をした場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。
なお、この問において、35条書面とは同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を、37条書面とは同法第37条の規定に基づく契約内容を記載した書面をいうものとする。

1:Bが未成年者で、契約の締結について法定代理人の同意を得ていた場合において、Cは、宅地建物取引士をして、Bに対してのみ35条書面を交付して説明をさせた。

違反しない

35条書面を交付・説明する相手方は、物件を取得したり、借りようとしている者です。選択肢では買主となろうとしているBに説明すれば問題ありません

2:Cの事務所の応接室がふさがっていたので、Cは、近くの喫茶店で、宅地建物取引士をして、Bに対し35条書面を交付して説明をさせた。

違反しない

重要事項の説明や書面の交付について場所的な制限はありません。
近くの喫茶店で行うことも全然問題ありません。
実務ではよくあります。
クーリングオフと混同しないでください。


3:Cは、37条書面をA及びBに対して交付したが、当該書面に専任でない宅地建物取引士をして、記名押印させた。

違反しない

宅建業者の媒介により契約が成立したときは契約の各当事者に、遅滞なく、
37条書面を交付しなければなりません。
よって、売主A・買主Bの双方に交付するのは正解です

そして37条書面には、宅地建物取引士の記名押印が必要ですが、記名押印するのは、あくまで宅建士であればいいんですよ。
「専任宅建士」である必要はありません。そんなに偉くありません。

4:Cは、Bに対しては37条書面を交付したが、Aに対しては37条書面を交付しなかった。

違反する

宅建業者の媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、37条書面を交付しなければなりません
つまり、売主Aにも交付しない限り宅建業法に違反します。

以上です。

全問正解できた方経験値100獲得です。
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ついに東京オリンピックが開幕しましたね。
賛否両論ありますが、選手の皆さんにはぜひ頑張っていただきたいと思います。
オリンピック見ずに勉強集中しようと思っている方も、いらっしゃるかもしれませんが、私は受験生の時にスポーツにすごく励まされました。
楽天イーグルスが優勝した年で、9回に田中マサヒロ投手が連投で出てきたときには本当に感動しました。
あの試合を見て本当に勇気をもらいました。

極限まで努力した人の姿を見ることは、学習へのモチベーションを維持するうえでとても大切です。
ぜひ学習の合間にオリンピック見て、モチベーションコントロールしてもらえればと思います。
ということでまた明日。
posted by 棚田行政書士 at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | 宅建試験 超短期間で合格する方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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